収益性、信頼性を最大限実現した太陽光発電所を作るために | 理想収支立案編-初期投資費用の算定(概算) -その2
前回、太陽光発電所建設にあたり初期投資費用として、 26項目ほど挙げさせて頂きましたが、 今回は各費用項目について、より詳細を説明致します。

安全に作る事が大前提ではございますが、 いかにコストを抑えるかのご参考にしていただければと思いますので、 よろしくお願い致します。
① 測量費その1:境界線・区画の確認
現況測量と呼ばれる事もあり、森林伐採・除草・造成が広範囲に必要な土地に対しては、
必ず境界線の確認を行う必要があります。
費用はほとんどの業者にて面積㎡単位で算出されます。

② 森林伐採費: 敷地内の樹木が生育している箇所によっては伐根まで必要ございませんが、 電気工作物(太陽光発電設備、その他電気設備)の設置場所は、 完全に伐根まで必要になります。 費用はほとんどの業者にて面積㎡単位で算出されますが、 正確には、現地調査をした上で正確な見積りが出ます。

③ 除草費: 土地の状況によって不要な場合もございます。 雑草が占める面積の㎡単価で算出されています。

④ 測量費その2:地形測量 敷地内に複数の測点を設けて、各ポイント間の 水平距離・高低差などを測量し、より正確な敷地面積や距離・地形を 明確にするものです。これを行う事で、改めて正確な割り付けができます。 作業で使用される器具類は①の境界線・区画の確認とほぼ同じで、 業者にて面積㎡当たりで算出されています。

⑤ SS試験費: 正式名称はスウェーデン式サウンディング試験と言います。 太陽光発電所を建設される上で、弊社はこの試験を実施される事を推奨しております。 敷地内の各地点において据え置きしたSS試験機からスクリューポイントが 真下方向へ回転しながら地中を掘下げる事で地盤強度を調査するものですが、 一般的に依頼する測定地点の数によって価格が決まりますが、 太陽光架台の強度を考えると安価で済ませられない試験です。

⑥ 造成計画・工事費: 専門業者に依頼し、土地の造成計画における図面類を 作成して頂き、更にその図面を基に工事してもらうための費用です。 土地の面積や、地形によって発生し得る工数によって費用は変わりますが、 一般的に計画と工事でそれぞれ業者が分かれており、 価格については都度、案件毎に業者に依頼して出す必要がございますが、 土木に詳しい人であれば、現地調査で大体の費用を算出できるかと思います。

⑦ 排水施工計画・工事費: 上記⑥造成計画・工事費と同様に、図面作成と工事に業者が分かれます。 どのように排水路を設けるかによって作業に要する工数が変わってきますので、 その土地の面積や地形が価格に影響してきます。 こちらも業者に依頼して価格を出して頂く必要があります。

⑧ 地盤改良費: 地盤強度の弱い土地では必ず必要となります。 置き換え工法、浅層(または深層)混合処理工法、薬液注入工法などの 工法種類や地盤改良したい面積や地形によって価格が変わってきます。
⑨ 墨出し費: 割り付けにより設定した架台や電気設備を据え付ける箇所を 工事作業者が正確に把握するために現地にて設ける印付けです。 敷地面積や設備台数によって工数が違ってきます。 こちらも業者への見積りによって価格が分かります。

⑩ 杭打ち工事費: 架台の杭を打ち込むための工事費用です。 杭本数と使用する重機、かかる工数によって費用が決まります。

⑪ 架台杭引抜き試験費: 架台杭打込み後に行う作業です。 SS試験と同様に、弊社はこの試験を実施される事を推奨させて頂いております。 引き抜く箇所数、使用する試験機、作業に要する工数によって費用が決まります。

⑫ 太陽光モジュール 材料費: モジュールメーカーにお問い合わせ頂く事によって分かる費用です。 W単位でいくらという算出になります。
⑬ 架台 材料費: お客様自らが支給される場合に架台メーカーにお問い合わせ頂く事で分かる費用です。 工事業者が調達することを条件で積算するケースも多いと言えます。 kW単位やモジュール枚数での算出方法が主流になっていますが、 厳密には使用する鋼材の重量や加工費等が含まれています。 土地の地形や環境によって架台のタイプ(設置角度、GL、杭の長さ、 塩害対応、置き基礎かどうかetc)も異なり、 それぞれのタイプによってメーカーにも得意不得意がございますので、 複数社の架台メーカーにて相見積もりされる事をお勧めします。
⑭ 架台組立・モジュール設置工事費: 工事業者によりますが、作業に要する工数によって費用が変わってきます。

⑮ DC側配管配線工事に必要な部材費: 基本的に工事業者が支給され、見積りの際にも工事費に含まれているものですが、 電気に詳しい方がいれば、お客様にて選定・支給される事により コストを抑える事ができます。 [主な内容] DC延長ケーブル 接続箱~パワーコンディショナー間DC電力ケーブル 埋設管 接続箱 各ストリング用遮断器もしくは開閉器(接続箱内に収納)

⑯ DC側配管配線工事費: 太陽光モジュールとパワーコンディショナーとの間の ケーブル配線工事に伴う費用です。 ケーブル引き回し方法、部材構成、電線管を埋設にするか 露出にするかによっても費用が変わってきます。 電気に詳しい方がいれば、最良な配置図・単線結線図を作成し、 それに伴って工事業者に依頼する事でコストを抑える事ができます。

⑰ DC側接続箱設置工事費: 発電所の太陽光モジュール配線の関係により、 安全かつ、よりコストを抑えた形での設置が望まれます。 電気に詳しい方がいれば、単線結線図を作成の上、 工事業者に依頼する事で、安全に且つコストを抑える事ができます。 高圧区分の発電所や低圧区分の場合やメンテナンス利便性等を考慮の上、御検討ください。
⑱ パワーコンディショナー(以降PCS) 材料費 お問い合わせ頂く事によって分かる費用です。 代理店でもお取り扱いしておりますし、 もちろん弊社でも安価にて取り扱っております。
⑲ AC側配管配線工事に必要な部材費: 上記⑰DC側配管配線工事に必要な部材費と同様に 電気に詳しい方がいれば、お客様にて選定・支給 される事によりコストを抑える事ができます。 [主な内容] 各PCS~集電箱間AC電力ケーブル PCS~引込柱間集電箱 各PCS用遮断器(集電箱内に収納) 主遮断器(集電箱内に収納) 集電箱~引込柱間AC電力ケーブル キュービクル(高圧・特高区分では必要です) 電力量メーター 分電盤(システム構成を考慮の上、御検討ください。)

⑳ PCS取付け工事費(取付け架台込み) 集中型PCSの場合はメーカーが取付けを行います。 分散型PCSの場合、設置台数等によって費用が変わります。

㉑ 引込柱設置工事費 使用する引込柱の部材も含まれ、引込柱の長さ、本数等によって 影響される費用です。

㉒ AC側埋設配管、配線工事費 上記⑮DC側配管配線工事費と同じような要領で、 お客様でケーブル引き回し、部材構成等が決められれば、 よりコストを抑えた作り方ができます。

㉓ PCS~引込柱間集電箱設置工事費 上記⑯DC側接続箱設置工事費と同様に 配線の関係により、安全かつ、よりコストを抑えた形での設置が望まれます。 電気に詳しい方がいれば、最良な単線結線図を作成し、 工事業者に依頼する事でコストを抑える事ができます。

㉔ 遠隔監視装置 材料費 お客様にて選定される事が望ましいと言えますが、 工事業者に一括で依頼する事もできます。
㉕ 遠隔監視装置取付け工事費(取付け架台込み) 遠隔監視装置一式を収納するBOXを取り付けたり、 遠隔監視用の配線工事費を含みます。 電気に詳しい方がいれば配線方法なども選定でき コストを抑えて作る事ができます。

㉖ メーター・分電盤取付け工事費(取付け架台込み) こちらは電力会社が行うものとなります。

太陽光発電所の建設費用項目について説明させて頂きましたが、 品質・安全面を考慮しながら、より良い施工方法や部材選定を する事でコストを抑える事ができます。 しかし、それを成し遂げるためにも専門知識・経験が必要になります。
弊社CO2Oは太陽光発電所を建設するにあたり、 安全かつ、よりコストを抑えた方法を随時追求しております。 気になる点等ございましたら、お気軽にお問い合わせ頂きたいですし、 ぜひお客様が今後作られる太陽光発電所設置工事についても お手伝いさせて頂ければと存じます。