収益性、信頼性を最大限実現した太陽光発電所を作るために | 理想収支立案編-電気主任技術者費用の算定(概算)

今回は「電気主任技術者費用」についてご紹介いたします。
電気事業法第43条第1項に基づき、
「自家用電気工作物を設置する者は、事業場又は設備ごとに
電気工作物の工事・維持及び運用の保安の監督をさせるため、
主務省令で定めるところにより、電気主任技術者免状の交付を
受けている者のうちから、電気主任技術者を選任しなければならない。」とあります。
そして自家用電気工作物を新たに設置する場合には、
その工事に係る技術基準の適合状況等を確認するなど、
工事の保安を監督する必要があるため、
その工事の開始前に電気主任技術者を選任し、
遅滞なく届け出る必要があります。
また、電気主任技術者を変更した場合、
解任した場合も遅滞なく届出を行う必要があります。
高圧連系(50kW以上)の太陽光発電所を設置する場合には、
自家用電気工作物に該当しますので、
「保安規程の届け出」と「電気主任技術者の選任」が必要になります。
そして高圧の太陽光発電所の場合、完工後も電気主任技術者を
常駐させる必要があり、50kW以上~2,000kW未満の規模では
外部委託可能ですが、2,000kW以上になると自社で選任しなければいけません。
低圧連系(50kW未満)の場合は一般用電気工作物のため、
保安規程を作成する必要もありませんし、
電気主任技術者の選任も必要ありません。
それでは具体的に電気主任技術者に行って頂く
内容を挙げていきます。
■事前手続業務手数料:
保安規程の作成、経済産業省への提出の申請業務を行うための費用です。
■中間点検手数料:
工事期間中に行う点検の費用です。
場合によっては行わないケースもございます。
地域と規模、その地区の電気保安協会にもよりますが、
御依頼された電気保安協会の電気主任技術者が日帰りで行ける場所であれば、
さほど金額がかからないケースもございます。
■竣工試験業務手数料:
高圧変電設備・引込柱等における各種点検を行うための費用です。
地域と規模にもよりますが、250kW出力規模クラスで、
御依頼された電気保安協会の電気主任技術者が日帰りで行ける場所であれば、
1式で数万円程度かかります。
具体的に行う点検内容は以下の通りです。
・接地抵抗測定
・絶縁抵抗測定
・継電器と遮断器との連動試験
・変圧器、遮断器などの内部点検
・絶縁油試験
・蓄電池各種測定(比重、液温、電圧)
※蓄電池が導入されている場合に限ります。
・漏電遮断器押釦試験
・太陽光発電設備他
■定期点検業務手数料:
太陽光発電所設置完了後も、定期点検を実施する事が
法的に定められています。これを電気主任技術者に実施させる費用です。
価格は規模や保安規程内容によりますが、
2MW以上の規模で、離れた場所であれば常駐する事が必要になるので、高額になります。
具体的に行う点検内容は以下の通りです。
・接地抵抗測定
・継電器と遮断器との連動試験
・絶縁油試験
・漏電遮断器押釦試験
・絶縁抵抗測定
・変圧器、遮断器などの内部点検
・太陽光発電設備他
このように規模が高圧相当の太陽光発電所を建設して
運用するには電気主任技術者費用の事も考慮せねばなりません。
今回は電気主任技術費用についてご紹介させて頂いておりますが、
せっかくですので次回は電気主任技術者が実際に行って頂く内容の
詳細についてご紹介したいと思います。